美瑛の丘めぐり(9)

<後日談>



 広島に帰ってきて1週間が経った。あの日、早朝6:50の電車に乗るほどだった元気はどこにいったんだろうか。あの日、美瑛の丘を自転車で走り回った元気はどこにいったんだろうか。
 広島は暑い。でも、暑いことによるショックというか、そういうものは意外にも無かった。しかし、朝は起きれない、起きても体が全然動かない。一瞬にして以前の憂鬱な生活に戻ってしまった。まぁ生活リズムが変だということもあるんだと思うけれど。あと、広島の空は白くて、晴れてるのか曇ってるのかよく分からないこともある。(季節によるのかも知れないけど。)

 時折、部屋に飾って(?)いるラベンダーのドライフラワーから香ってくる。それに気付くたびに、あの丘の景色を思い出す。あぁ〜、いいなぁ〜、と思う。
 でも、私は一介の観光客として、1日だけあの丘で過ごしたに過ぎない。それも、たまたま最も快適な季節の、たまたま快適な天気の、そんな1日に。そして、その丘を巡っただけで、そこで生きているわけではない。
 その丘の実態は、食糧を生産する、農家の方々の生活の場である。時折すれ違った、2車線道路を占有するほどの巨大な農業機械。そういうものを使う、起伏のある丘での農作業は大規模とはいえ楽ではないはずだ。また、美瑛の冬は、さぞかし厳しいはずだ。
 そういうことを、私たちは忘れてはならないのだと思う。


資料編

富良野・美瑛に行かれる際は、事前にいろいろと情報収集することをお薦めする。

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